取り外しできる仕切りのある抽斗付き学習机。
きれいに片付けできれば嬉しくなる。
前回納めた空間を有効活用するベッドと一緒にオーダーをいただいた学習机を後日納品してきました。
まず最初の工房での打ち合わせ時にシンプルなものをご希望ということだったので作例のデスクをもとに打ち合わせを進めました。ご要望では引出し金物のスライドレールを使わないという事だったので昔ながらの吊り桟仕様で図面を描き進めました。
それから主材はハードメープル(府中家具工業協同組合の木材図鑑を参照)での制作となりました。というのもベッドで使用したヨーロピアンビーチと同じ散孔材で色味も似ていたからです。メープルはビーチよりも木目が明瞭でよりきれいにみえます。ちなみに散孔材とは水分を運ぶ道管という管が木材全体に不規則に細かく分布している樹種の分類で、その手触りは滑々しています。野球のバットにも使われているのでその硬度と耐久性がわかると思います。
あと今回のこだわりポイントは2点ありまして、ひとつめが足元のおしゃれ的な挽き脚です。最初の図面ではシンプルに角脚のままでしたが、ものづくりの衝動に駆られ後日ご提案をしまして承諾をいただきました。つくりての想いにお付き合いくださり感謝しかないです。
そしてもうひとつは引出し内部に取り外し可能な仕切りを加えた点です。引出しは2杯あるのでひとつはA4サイズほどの大きさそのまま使い、もう一方は文房具などをしまえるように細かく区切れるようになっています。しまう場所が決まっていることが綺麗に片付く一番の要因だと思います。
あと使わない仕切り板を収納スペースにしまったら無駄になるので、引出し落下防止のために伸ばしておく側板と奥の部分にスペースを設けました。この仕切りも前と同様にものづくりの衝動に駆られ便利になるなら取り入れようと。今では便利な百円均一の仕切りなどあるのでうまく収納できると思いますが、同じ木材での標準仕様としてあれば使い勝手も見栄えもいいよなと。仕切りのしまい場所もそういった点から付け加えました。図面には描いてないですが、手を動かし進めるにつれて思いつく点も多々あります。
さて勉強机の配置ですがベッド2台を部屋の中央に置き両脇を通路として奥の造り付けの棚との間にしました。打合せ時に部屋の図面を見ながらどうしたものかと悩みましたが、後日お客様からの提案でこの中央に配置する形となりました。図面ではなく実際の空間を認識しているのでベストな配置案でした。本棚は壁面いっぱいにあるので机上サイズは800×500の大きくも小さくもないちょうどいいサイズ感になっています。机の横のベッドのヘッド部分は枠のなかに鏡板をいれて、あえてパネルにして集中できる空間にしました。
子供部屋をつくる際に、ベッドと学習机をどのように部屋に配置したらいいか頭を悩ます事も多々あると思います。今回2セット分なのでより難題ですが、部屋のサイズにあわせてうまく空間を利用した仕様にすれば、子供にとって居心地のいい空間にできるということを形にできたと思います。使い方も成長につれて変化していくと思うのでそれもまた今後楽しみになると思います。
納品後に美味しいコーヒーを淹れていただき飲みながら談笑できるこのひと時が、納品後の安心感と相まってなんとも嬉しい時間になりました。どうもありがとうございました。
取り外しできる仕切りのある抽斗付きデスク。
- サイズ:W800ミリ D500ミリ H720ミリ
- 本体:ハードメープル材
- 塗装:プレポリマー・植物性オイルフィニッシュ
- 参考価格:お問い合わせください
- 神奈川県横浜市
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