ウォールナットの壁面収納&キッチンカウンタートップ
ウォールナットで統一された空間に
三面壁に囲まれたスペース
平塚にあった職業訓練技術校を卒業して22年ぐらい。木工を始めて20年以上経過しているわけですが、その年月に見合った腕前があるのかどうかは一旦考えるのはやめて、とりあえず続ける事を目標にしてきたのでそこは日々達成ということで。
今回のご依頼はその訓練校時代の同級生から。自分より仕事のできる職人が今は木工を辞めてコンサートの特殊効果、炎やスモークなどで演出をする仕事に転職。木工以外の道で活躍している同期をみて、自分なら何に転職しようか、できるのか考えても特に浮かばないので、まだ家具づくりを続けることにします。
ということで、今回の制作を図面にまとめました。主材はブラックウォールナットです。(樹種に関しては日本木材総合情報センターのHPをご参考に)

既存の壁面カウンターの上に収納を取り付け
もともとあった壁面カウンターの上に新たに収納を取り付け、キッチンカウンタートップをウォールナット無垢材に変更します。

施工前のキッチンカウンターと壁面のカウンター
奥のカウンターは壁三面に囲まれているので取り付ける際の逃げを考慮して本体の図面を描き進めました。上から見える天板は壁との隙間を雑巾摺りなどで逃げずに、壁に削り合わせて綺麗に収めようと気を吐きます。まぁ実際の取り付けは頭で思い描くようには進まないのですが…
抽斗と引き戸の収納
決められたスペースに必要な収納を割り当てて、抽斗を上下2列に8杯と、左右の引き戸の中は可動棚がそれぞれ2段あります。

抽斗8杯に左右の引き戸。隠れた壁のコンセントは天板の2口コンセントに接続

当たり前のように抽斗の前板は木目がつながります。適材適所
制作の第一歩、木取りという作業の重要さを思い知るのは完成した姿を見るとき。ある材料の中から最大限見栄えよくなるように木の配置を考えます。悩ましい工程なので時間を使ってでも納得いくまで考えます。

抽斗と引き戸の色の濃さの違いをうまく配置。引手にはチークを
同じ樹種であっても色の濃さは丸太によってちがいます。ウォールナットのような濃い色ほど色味の差があります。その色の違いも上手く利用し、配置することによってまとまりある姿になります。左右の引き戸は濃い縦の木目、抽斗は横目になるので多少色が違っても境界がはっきりするので良い効果に。引手には濃いウォールナットのポイントとしてあえてチークに。手の触れる部分なのでオイリーな樹種にしました。
カウンタートップ
もともとの白のカウンターが味気ないということでウォールナットに変更。取り替える手間を省き、一回り大きくして上から被せることにしました。金物のクリップを使って横からスライドさせてしっかり取付します。

既存の白のカウンターからウォールナット無垢材で統一
水まわりということで、ガラス塗料での仕上げです。木に浸透して塗膜を作らないので他の植物性オイルと同じように仕上げることができます。ただオイルより価格は上がってしまいます。なのでお好みにあわせて塗料をお選びいただけます。
逃げを受け入れろ
さて無事に収まりはしたのですが。思い描いていたようにすんなりとはいきませんでした。三面壁に囲まれているので寸法きっちりでは入らないので幅を小さくして逃げます。今回も逃げを作ったのですが、地板と幕板の通りを優先してそこだけは伸ばしておいて現場調整しようと考えていました。が、その部分があることで窓枠や縦枠の少しの出っ張りをどうにも回避できず、安息の地に収まらないので結局伸ばした部分をカットすることに。見栄えよく収めたいが、入らなければ始まらない。逃げも含めてより良いデザインを考えましょう。自分に言い聞かせます。逃げを恐れるな受け入れろ!
以前納めた3面壁に囲まれたテレビボードも参考にどうぞ。

ダイニングテーブルセットと。ウォールナットで統一された空間に
今回はおおいにお客様の手を借りて取り付けることができました。元家具職人で助かりました。逃げの変更があったので後日部材を作って送ることにはなりましたが、完成ということで。とても穏やかなラブラドールレトリバーとの触れ合いも癒しになりました。猫ちゃんにはいつの日か会えるのを楽しみに。ありがとうございました。
ブラックウォールナット 壁面収納&カウンタートップ
- サイズ:W2120ミリ D540ミリ H435ミリ
- 本体:ブラックウォールナット
- 塗装:植物性オイルフィニッシュ ガラス塗料
- 参考価格:お問い合わせください
- 神奈川県逗子市
お知らせ
家具づくりで余った端材を無駄にせずに利用して、器やお皿を作っています。木の持つ温かみを生活に取り入れてみてください。ネットショップにて販売していますので是非お立ち寄りください。よろしくお願いいたします。
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