ブラックチェリー テレビボード
今回のお客様は以前ご両親に食器棚を納めた時に、いずれ私たちもオーダーしたいと言ってくれた息子さん夫婦です。そしてテレビボードのオーダーという形で今回実現しました。
旦那様は大工さん(イチキ大工)。ご自宅も自身で手掛けた素敵な家です。
まずはご自宅に伺い、置く場所や配線位置など現状の調査と使い勝手などのご希望をうかがいます。それをもとに図面を作成し、打ち合わせとなります。
機材などの寸法も最初の打ち合わせの時に測っているので提案に反映します。使い勝手や収納したいものにあわせ図面を作成。収納の配置のパターンも提案しました。
あとは木材サンプルを見てもらい質感や色、木目などからお気に入りを選んでもらいます。タモ・ナラ・栗・メープル・ウォールナット・ブラックチェリーなどなど。オイル仕上げ後の濡れ色で確認してもらいます。
機材収納部分にガラスを入れたフラップドアを採用したので、そのガラスもサンプルから選んでもらいました。
中を見えにくいようにしたいということでフロートガラスではなくサンゴバンの型板ガラスとカラーガラスを提案しました。これだけあると迷うところですが、ガラス選びも個性が出るのでオーダーならではです。
完成するとこんな感じになります。図面で形はわかっていても木という素材でつくりあげるとこんなにも雰囲気が増します。やはり天然の木目という装飾の良さを実感します。
今回本体のつくりはあられ組という組み方で、正面4つの角は留め(45度)に加工しました。留め加工なので本体枠の前面(見付け部分)は7ミリほど奥に斜めにおとしています。
手刻みの大きな梁や柱が現しの家にあうような家具にしたかったからです。
引き出し収納の前板は木目が特徴的なものを持ってきました。これは木取りと言う作業で、どこにどの材を(どんな木目を)使うか決めることで、この木目を見た時に引き出しの前板(正面にくる板)に来たら雰囲気がでるなと直感しました。思った通りの仕上がりになり、木取りに頭を悩ませ時間をかけるだけの成果をみれました。
引き出しの取っ手は金物ではなく同材のチェリーで、前板の木目の雰囲気を邪魔しないシンプルなもので、でもあると全体が引き締まるようなものを自作しました。色の違うメープル材とかでアクセントにしようかと最初は思いましたが同材のこちらで良かったと。ちょっとしたことですがあらゆる部分が取捨選択のくりかえしです。
今回のテレビボードの仕様は機材スペースと引き出し収納スペースの2つで、図面のような3パターンの提案でした。引き出しは同じサイズより大きなサイズとそれよりひとまわり小さなものがあると収納するにも使い勝手がよいのではないかということで採用しました。
薄めのブロンズ色の型板ガラスがチェリー材にとても合いました。乱反射で中の存在を見せなくも遮断しないので機材スペースに適材です。カラーガラスでもいいですが型板ガラスより値段が張ります。
納品に伺い設置してテレビを置いて機材を配置して完成です。土壁の雰囲気も相まってしっくり納まりました。
写真好きな奥様と娘さんと三人で夕方の自然光がかすかながらの中で写真撮影会。部屋の電気消してどうにか自然光を取り入れながらの撮影がとてもにぎやかで楽しかったです。
仕事から急いで帰ってきてくれた旦那さんともこれからとりかかる仕事の話などできました。とてもいいお仕事なので進捗を楽しみにしています。
納品を終えていつも思う事ですが、とても喜んでもらえたことが何よりの報酬と素直に感じます。丁寧な仕事をする事をより一層心掛けていきたいと思います。ありがとうございました。
ブラックチェリー テレビボード
- サイズ:W1350 D400 H440
- 主材:ブラックチェリー
- ガラス:サンゴバン型板ガラス
- 塗装:植物性オイルフィニッシュ
- 参考価格:¥240,000-(税別)
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