両開きガラス框戸と桧の抽斗を現場取り付け
新築住宅の家具扉と抽斗
今日は工房から茅ケ崎まで足を延ばし神奈川エコハウスさんの現場へ。
先日現場で寸法採りした家具の取り付けにやってきました。工房での作業が週のほとんどを占めるので現場作業は毎回ぴりっと気が引き締まります。大工さんや他の職人さんがいるので、いつもと違う雰囲気での仕事も刺激になります。
エコハウスさんの仕事は無垢の会という木工家の集まりで受けていて、わたしもその一味というわけです。今回は急遽担当変更で回ってきたお仕事だったので手分けして、扉と抽斗の制作になりました。ひとりの工房なので手助けする、してもらえる仲間はとても助かります。
桧の抽斗
今回も大工さんの造った洗面収納の本体に2杯の抽斗を取り付けます。普段の工房作業は作業台での立ち仕事が基本ですが、現場はかがんだり脚立に登ったりなど普段しない動きをするので身体がきしみます。今年に入って少しずつ体重を落としたので現場作業も気持ち軽やかです。ただ目だけは焦点が合わなくなってきたのが困ったものです。細かい作業などはあらかじめ治具やバカ棒などを駆使してスムースに進めます。とはいえ現場での作業はすんなりいかないもので、今回は抽斗の前板の微妙なせり出しが気になり金物をいじったり、箱をいじったりなど想定外に時間を費やします。ちょっとした目違いなどでも気になるので、綺麗に仕上げる事に努めるだけです。
食器棚の框戸
抽斗に続き、食器棚の両開きの框戸の取り付けに取り掛かります。上はガラスの入った框戸、下は鏡板の構成です。見せる収納と、見せない収納で使い分けます。主材はアルダーというカバノキ科ハンノキ属の広葉樹です。広葉樹でもオークなどに比べたら柔らかい樹種です。オイルで仕上げると程よく赤みがでて、無塗装から一変します。
金物ではなく掘り込みの手掛け
扉の手掛けは金物は使用せずに掘り込みの手掛けになっています。上は框の下面に掘り込み、下は横からみるとJの字型に掘り込みます。上下の分かれ目にラインができて、シンプルながらアクセントになっています。両開きの縦の框は一枚の板から割いて使っているのでちゃんと木目が合います。木目をどう使うかによって全体の雰囲気が違うものになります。なのでどこにどの材を使うか割り当てる木取りという作業が重要になってきます。木取りが終わると、もう半分製作が終わった気になります。気になるだけで作業の大半は残ってるのですが。
上段は見せる収納ということでガラスが入った框戸。今回は透明フロートガラスで中ははっきりみえます。中のものがうっすら見える型ガラスや色付きのガラスなど種類も豊富に選べるので、自分の好みにあわせてお選びください。
家具の扉といってもどんな樹種を使うか、どんな作りにするか、今回は四方枠の框戸で、手掛けは金物か掘り込みか、ガラスはどうしよう、といった感じで選択肢はたくさんあります。選びきれない場合はこちらで提案したものを、打合せしながらより良いものに作りこむのも楽しいと思います。
新築に限らず、今ある収納の扉だけを作り変える事も可能ですのでリノベーションとして家具の扉を変えるだけでも空間の模様替えができますのでご相談ください。
他の現場の扉の取り付けは以前のひとりごとにありますのでそちらもご参考にしていただけたらと思います。
お知らせ
家具づくりで余った端材を無駄にせずに利用して、器やお皿を作っています。木の持つ温かみを生活に取り入れてみてください。ネットショップにて販売していますので是非お立ち寄りください。よろしくお願いいたします。
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