木塊 塊としての存在感は捨てられない
もったいないでうめつくされて
家具をつくるには材木が必要なので、広葉樹などの堅木を扱う材木屋さんから仕入れています。時には必要なくなった人から譲ってもらったりも。いつ使うか分からなくても、材料がなければ作れないので、そんな話があるとちょっとそこまで出かけたり。ただ置く場所に困ってしまうので、管理できる程度の木材に囲まれています。
仕入れる材木には長さの規格があるので、必要な長さに切った余りも無駄にならないように切り分ける木取りという作業が初めの一歩。節があったり、木目だったり、適材適所も考慮するので長さで単純に切り分けるというわけにもいかない。となるとおのずと中途半端な端材が結構うまれます。木工旋盤を始めてから良かったのは、端材のことも考えて木取りするようになったのでより無駄がなくなりました。端材とは言うものの、おぼろげにどんな器やお皿を作ってみようかと思ったすえに出た材なんです。
厚い木を刳り貫くことさえも
仕入れる材木の厚みもまた規格があって、作るものによって厚いもの薄いものを仕入れます。なのであまる材も厚さはそれぞれ。薄いものならば平たいお皿をつくったり、厚いものであれば深さのある器を作ったり。
今回手に取ったのは厚みが50ミリ以上あるもの。持てばずっしりと重さがやわな手首にきます。深さを掘りこんだ器にちょうど良いのですが、今回はその重さと木の塊としての存在感を掘りこんで失うのはもったいないと、手首に感じるものがありました。決して掘り込む手間が嫌になったわけではありません。掘りこんだとしても、木くずは牛や豚の寝床にまかれるので、捨てることなく利用できるので無駄にならないのですが、塊としてのありのままを無駄にしたくないと。
木塊 木台
いったい何に使うものなのか、どんな名称がしっくりくるものか考えたすえに、木塊としました。シンプルに。
用途は、まず木の塊としての存在感を楽しむのが第一になります。持った時の重さや、見た目の重厚感、無垢の素材感。あとは自由に使ってもらえるように、最低限の縁をつけて、高台をつけて、丸くして。例えばコップや急須を載せておく台。お菓子や果物を飾って置く台。インテリアとしてドライフラワーを飾ったり、花器を載せたり。お気に入りのものを展示する台としても。そのままこれだけ飾っても。
工房に積まれた一片の端材をながめて、この塊から作れるものは何なのか、最適解をさがすものづくりはシンプルに楽しいものです。ましてや生活道具として使ってもらえればなおさらのこと。自然を切り出して得た素材を無駄に捨てたくないので、時間をみつけてはこつこつ作っていければと思います。
そんなこつこつ作った道具たちをオープンしたばかりのウェブショップで販売中です。実物の存在感を確かめたい方は、工房で手に取ってみれますので事前にご連絡いただければ対応できますので、どうぞお越しください。
工房の詳細はこちらです。お待ちしております。
木塊 木台
- ウォールナット 直径255ミリ 高さ50ミリ
- ハードメープル 直径222ミリ 高さ56ミリ
- 塗装:撥水セラミック塗料
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