陰影を意識したカップボード さりげない装飾を
カップボードのご依頼
10年という月日
10年前お客様がご自宅を新築されたときに工務店さん経由で下駄箱やテレビ台を作らせていただいたのですが、今回はホームページを見つけてくださりお声を掛けていただきました。10年前に作った家具との再会。暮らしとともに経年変化した姿は愛おしいものです。
今回のご依頼はダイニングに収納をということでカップボードの制作になります。ご自宅での打ち合わせのなかで一番のご要望と受け取ったのは、フラットな見た目よりも飾りのついた立体的なもの。今ある造作の家具はフラットなつくりなので、アクセントになるような家具とのことでした。打ち合わせをもとに図面を描きます。

ご要望をもとに図面化。メールのやり取りで詳細を詰めていく
味わいある表現を
お客様のご要望を形にするにあたり、イメージを膨らますのに看板建築を参考にしたり。詳しくは『家具の細部に看板建築の味わいのある表現を』をどうぞ。
具体的な表現として、天板にくわえ地板も側より伸ばして飾りの面取り加工をしました。扉は装飾的に考えると枠のある框組が必然でした。枠に飾り縁をつけて立体的にしています。

框扉の飾り縁、抽斗の前板、手掛けなども立体的に
框の幅は狭くして軽やかに。丁番も厚めの真鍮製のものにしてアクセントとしています。ガラス戸には格子を加えて、中の棚板とともに縦横のラインを加えました。
抽斗の前板も四方に匙面をいれて、抽斗の手掛けはウォールナットで色味を加えて、指のかかりをしやすく丸く掘り込みました。
主材はオーバルダイニングテーブルに続きブラックチェリーです。(日本木材総合情報センターのHPをご参考に)
陰影の家具

陰影の家具 工房にて陰影を強調して撮影
光によって見え方も変わってきます。照明の明かり。自然光。夕方の薄明かりなど。それぞれ表情を変えてくれます。これもひとつの味わいになると思います。

ダイニングに無事納品 窓からの自然光にて撮影
ダイニングスペースに設置して撮影。しっくり納まってくれました。
納品後にお茶を用意してくださり、制作のお話などさせていただきました。納品後の楽しいひと時です。形にしていく過程の話、木の使い方など、どんな思いを持って作ったかなどお伝えできました。普段工房ではひとり作業。会話が圧倒的に少ない日常。性格的にひとり作業は気楽でいいのですが、より喋り下手になる。でも納品後のこのひと時の会話は、安心感もあってかとても心地よいです。ありがとうございます。
ブラックチェリー カップボード
- サイズ:W1700ミリ D453ミリ H950ミリ
- 本体:ブラックチェリー
- 塗装:植物性オイルフィニッシュ
- 参考価格:お問い合わせください
- 神奈川県藤沢市
お知らせ
家具づくりで余った端材を無駄にせずに利用して、器やお皿を作っています。木の持つ温かみを生活に取り入れてみてください。ネットショップにて販売していますので是非お立ち寄りください。よろしくお願いいたします。
コメントを残す