2025-02-10

こだわり抜かれたウォールナットのドレッサー

ドレッサーのオーダー製作

以前ローズウッドで格子柵を納めたお客様から再度お声をかけていただきました。今回はドレッサーをオーダーしたいとのこと。お客様のなかにある理想像をメールでの打ち合わせを通して図面化して繰り返し打ち合わせをして使い勝手など詳細を詰めていきました。

まずは打ち合わせを繰り返しこだわりを図面化していく作業

この作業はお客様によって進め方も様々なので、やり方に決まり事などはなく、ただ一緒にものづくりをしている感覚だけは共有できたらいいなと思っています。

省スペース化ということで作業スペースとなるテーブルは使用時に引き出せるスライドテーブルにしました。折り畳み式もありますが、ぱっと引き出せる手軽さは何と言っても使い勝手が良いです。

全体像はこのようになりました。小さな抽斗５杯、広い抽斗１杯。鏡付きの扉。

引き出せるスライドテーブル。普段は収納できるので他のキャビネットなどの奥行に合わせることができます。２段階で引き出せるようにしてあるので使い勝手にあわせることもできます。

作業テーブル上の中央に鏡が入るスペースで、その奥には幅の狭い棚があり、左側には５杯の抽斗と右側は鏡扉の仕様になっています。

しまうものに合わせた収納はオーダーメイドならでは。

鏡扉のうらには化粧水のボトル類をワインセラーのように寝かせてしまえる棚に。棚自体を引き出せるようにも。

左に５杯の抽斗は容量をできるだけ多く取れるように金物は使わずに吊り桟で仕込みました。箱はウォールナットにあわせてクルミにしています。つまみ金物も使わず掘り込みの手掛けにしてできるだけ木の質感を活かした仕上がりに。

スライドテーブルの下には幅いっぱいの抽斗があり、眼鏡収納として仕切りをつけています。仕切りは取り外し可能でフレキシブルに収納できます。

お客様のご要望で主材にウォールナットを使用しています（ウォールナット・クルミについては日本木材総合情報センターをご参考に)。底板や背板もすべて無垢材をご希望でしたので、表に見えない部分にはウォールナットにあわせてクルミ材を使用しています。

本体裏の背板にもウォールナット無垢材を。背板は本実と相じゃくりで合わせて本体に真鍮釘で取り付け。ウォールナットと真鍮の組み合わせがとてもしっくりきます。

お客様とメールでのやり取りを繰り返し、細部まで寸法や仕様を詰めていきました。より良く使用する事を踏まえて検討を繰り返していただいたので細部へのこだわりが詰まっています。

鏡を置くところの天面は格子にして少しでも明かりを取り入れるようにしています。内部にコンセントを付けたので天面まで配線が通るように配線孔を開けています。

脚もこだわりのスペードレッグ。最初は先細りのテーパードレッグでしたが、下調べでこの形を見つけて採用に至りました。先端のスペードの部分も一本ものから削り出しています。全体の雰囲気をより引き出してくれたディテールになりました。

細部に至るこだわりを形にしてできたドレッサー。ひとつひとつが上手く組み合わさってとてもスッキリまとめることができました。お客様と一緒に作り上げたドレッサーがしっかりと形になりました。この仕事の醍醐味を思う存分味わうことができました。ありがとうございました。

無事納品を終え鏡を置いての一枚。しっくりな仕上がりに胸をなでおろす。

家具づくりで余った端材を無駄にせずに利用して、器やお皿を作っています。木の持つ温かみを生活に取り入れてみてください。ネットショップにて販売していますので是非お立ち寄りください。よろしくお願いいたします。